道路上の “ 牛 ” に ご注意!

放牧牛に注意の道路標識 車の運転

オープン・レンジ OPEN RANGE(牛の放牧エリア) 

ハイウェイのオープンレンジ区間を走行する車窓風景
OPEN RANGE 放牧エリア

アメリカ西部をロードトリップしていると、牛のイラスト入りの黄色い注意標識を目にすることが度々あります。

これは「オープン・レンジ OPEN RANGE」といって、そこが牛の放牧エリアであることを示す標識です。

放牧牛に注意しながらオープンレンジ区間を走行する車窓風景
丘の向こうに牛さんがいるかも・・・

USハイウェイや各州のステート・ハイウェイなど舗装整備されたハイウェイは時速100km超で走行する区間が多いにもかかわらず、この「オープン・レンジ OPEN RANGE」エリアでは道路沿いにフェンスが無く、牛たちが自由に道路上に出てきてしまいます。

ハイウェイ路上に出てきてしまった放牧牛
ヒヤッとすることもあります

写真はユタ州のステート・ハイウェイの光景ですが、もしかすると “ オープン・レンジ OPEN RANGE ” 標識に気付く前にいきなりこんな状況に出くわして急ブレーキなんてことがあるかもしれません。

西部のハイウェイによっては昼間でも極端に交通量の少ないルートもあり、道路の真ん中でおとなの牛がのんびりと座り込んでいることも。

見通しのよい直線区間ならかなり手前から気付くことが出来るのですが、カーブの先に突然大きな牛がドーンと現れたら、もうビックリですよ。

ロードサイドにたたずむ放牧牛の大群
道路沿いにフェンスはありません

“ オープン・レンジ OPEN RANGE ” の標識が出てきたら前方には十分注意です。

ちなみにオープン・レンジ区間は 50~100km 続くことも珍しくありません。

また極力避けたほうが無難ですが、やむなく夜間に真っ暗闇のオープン・レンジ区間を走行する場合には一層の注意が必要です。

気温が下がる夜中には、舗装路面の余熱を求めて牛たちがハイウェイ路上に出てきて留まってしまう傾向があるそうです。

私たちもロードトリップ中に何度か黒色の牛がヘッドライトに突然浮かび上がって、床を踏み抜くほどの急ブレーキ!~ ぎりぎりセーフ!だった経験があります。

もし衝突したら車は大破するし、場合によっては死んだ牛の所有者に賠償しなければならないこともあります。

何より大けがをしても、そこが携帯電話の通じない場所だったら、真夜中は交通量も激減するし大変なことになってしまいます。

オープン・レンジ OPEN RANGE 区間を走行する際に注意したいこと

目の前を横断する放牧牛が行き過ぎるのをのんびり待つ
彼らの気の向くまま、通り過ぎるのを静かに待ちましょう

● 道路上に糞が散乱している場合は付近に牛がいる可能性が高い

● もし1~2頭の牛がいたら他にもたくさんいるかも(今までの私の経験上たいてい牛さんたちはまとまって移動しています)

● 運転中は道路標識にはチラッとでも目を向けたほうがいい(オープン・レンジに限らずですが・・・)

● 夜間はヘッドライトは必ずハイビームでスピードは控えめに

● 特に夜間走行時は、同乗者がいるなら一緒に前方を “凝視” してもらう

万一事故が起きた時には『911(ナイン・ワン・ワン)』(警察・消防・救急とも全米共通)の緊急通報へ

車窓から前方のオープンレンジ注意標識を確認する

キャトルガード CATTLE GUARD にビックリ

ハイウェイ路面に埋め込まれたキャトルガード
オープン・レンジ・エリアによくあるキャトルガード

オープン・レンジ・エリアのハイウェイを走行していると、道路を横切る形で埋め込まれた、レールのような細い鉄骨を組み合わせた格子状の構造物を通過することが時々あります。

時速65マイル(100km/h超)で通過すると「バンバーン ‼」という大きな音とともに、かなりの衝撃が車に伝わってきて、最初はとてもびっくりします。

いったい何事が起きたかと思わずブレーキペダルを踏んでしまうかもしれません。

道幅いっぱいに埋め込まれたキャトルガード
通過すると結構大きな音がします

これは牛をはじめとする家畜が道路伝いに敷地の外へ出ていかないようにするための設備で「キャトルガード Cattle Guard」と呼ばれるものです。

家畜などの有蹄類が歩けない隙間構造のキャトルガード
かなりの隙間があります

写真のように鉄骨がかなりの隙間をもって組まれているため、牛などの家畜(有蹄類)は足が細く蹄が滑りやすいので、このキャトルガードの上は歩けず脱走出来ない仕組みになっています。

西部の広大な放牧地(オープンレンジ)を貫くハイウェイ(インターステート・ハイウェイ以外)でよく見かけます。

ロードサイドに立つこの先キャトルガードありの注意標識
キャトルガードありの注意標識

このキャトルガードの手前には大抵の場合、“ CATTLE GUARD(キャトルガードあり)” の注意標識があります。

これが出てきたら、直後に先述の「バンバーン ‼」です。

キャトルガードありの標識を見ながらキャトルガードに接近
“CATTLE GUARD AHEAD” この先キャトルガードあり
間もなくキャトルガード本体を通過
間もなくキャトルガードが

ハンドルはしっかり握りましょう

ちなみに私は家畜や酪農に関する経験も知識も皆無で、オープン・レンジの意味も知らなかったため、最初にキャトルガードの上を通過した瞬間はビクっとしましたね。

ダートロードに設置されたキャトルガード
ハイウェイ以外のダートロードにも設置されています

決して恐れる必要はありません

大平原に立ってこちらを睨む一頭の放牧牛

アメリカ西部では放牧中の牛に車が衝突し、死亡事故が毎年発生しているそうです。

でも決して恐れる必要はありません。

ハイウェイの制限速度を守って安全運転を励行し、オープン・レンジ OPEN RANGE と キャトルガード CATTLE GUARD の存在と意味をあらかじめ知っていれば心配なしです。

キャトルガードありの黄色い四角形の注意標識

地平線まで続く大平原に牛や馬が放牧された光景はいかにもアメリカ。

草を食む牛たちを横目にハイウェイを突っ走るのは、アメリカロードトリップの醍醐味を感じるひと時です。

どうぞエキサイティングなロードトリップを・・・。

木立の下で座り込んで休む2頭の茶色い放牧牛

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