半日で巡れるモニュメントバレーから50マイル以内の絶景4ポイントを紹介

ミューリーポイントから見下ろすキャニオンと地平線 デスティネーション

ユタ州南東部の行かなきゃ損する絶景スポット4ヶ所とは

日本からの旅行者にも人気の高いモニュメントバレーから近く、短時間で行けて見ごたえのある場所を4つ紹介します。

① メキシカンハットロック(下の地図ポイント B
② グースネックス州立公園(ポイント C
③ モキダグウェイ(ポイント D
④ ミューリーポイント(ポイント E

おすすめする4つの理由は

★4ヶ所ともモニュメントバレーから50マイル以内の至近距離
 いちばん近いメキシカンハットロックはモニュメントバレーから27マイル=43km。
 4ヶ所を巡っていちばん遠いミューリーポイントまで約50マイル=80km。
 モニュメントバレーに2泊以上した際の日帰りドライブコースとしても、北方へ向かう途中の寄り道コースとしても最適。

★日本ではあまり知られていないマイナーなポイントだが、どこも目を奪われる絶景が魅力

★ピークシーズン中でも混雑しない
 特に④ミューリーポイントはオフシーズンには絶景を独り占めできることも。

★4ヶ所それぞれ短時間で楽しめる
 ハイキングなど時間を要するアクティビティを特にしなくても息を呑む景色を十分堪能できる。

①メキシカンハットロック Mexican Hat Rock

メキシカンハットの町の少し北、US163号線沿いにある特徴的な奇岩。

モニュメントバレーからUS163を北へ向かい、メキシカンハットの町を過ぎると2マイル先の右側に現れます。

南側から見上げる赤茶色のメキシカンハットロックの造形
その名の通りメキシカンハットをかぶったような奇岩

メキシカンハットロックの基本情報

モニュメントバレーのビジターセンターから27マイル=43km(約35分)
・入場料,許可証等は不要
・トイレなどの施設は一切無し(国立公園や州立公園のように特に整備された所ではない)
・最寄りの町:メキシカンハット Mexican Hat(US163号線を南へ2マイル)
 ※ガスステーション(コンビニエンスストア併設)とモーテルが4軒
  (オフシーズン11~2月にかけて閉鎖になるモーテルあり)

【モニュメントバレーからのアクセス】
ビジターセンターのパーキングエリアを出て3.5マイル、US163号線へ右折。
US163 NORTHを21マイルでメキシカンハットの町。
しばらく進むと右前方にメキシカンハットロックが見えてきます。
町から2マイル先のハットロック下へ通じる未舗装路のT字路(手前に茶色の案内標識あり)を右折。

【メキシカンハットロックの現地最新情報は】
 Utah Office of Tourism 公式サイト(英語版)→ こちら

ハットロックの真下近くまでアプローチ可能

US163号線からもよく見えますが、荒天でなければ未舗装路に入りメキシカンハットロックのほぼ真下まで近づいて、幅18メートルの『ハット』を間近に見上げてみるのがおすすめ。(US163からおよそ1マイル弱)

US163号線から望む赤茶色のメキシカンハットロックと背後の段丘
US163号線から望むメキシカンハットロック:晴天時なら下まで行ってみよう

ダートロードながら乾いていれば普通車でも大丈夫
(雨の後など路面が湿っている時は進入しないほうが無難)
この未舗装路はハットロック手前でY字分岐しますが、どちらも最後は行き止まりです。

赤茶色のメキシカンハットロックと手前に停めた赤い普通乗用車
路面が乾いていれば普通車でも問題なく走行できる

メキシカンハットロックの撮影ベストタイムと所要時間

写真撮影は日の出から日没まで終日OK

ハットロックを中心に北側と南側に未舗装の道があるので、車で移動しながら日当たり具合や眺める角度を変えてお好み次第の撮影ができます。
車を降りて斜面を登りハットロックに近付けばひと味違う写真も撮れますが滑落にはご注意。
下の写真は5月初め11:00AM頃の南側から望むハットロック(2018年)。

所要時間は20分くらいあれば十分でしょう。

下から見上げる赤茶色いメキシカンハットロック頂上のハット部分
日中はもちろん朝夕や星空を絡めた撮影もよさそう

②グースネックス州立公園 Goosenecks State Park

メキシカンハットロックの少し北にあるユタ州が管理・運営する州立公園。
州立公園ながらピークシーズンでも来訪者は少なめで落ち着いているのが魅力です。

U字型に蛇行するサンファン川の浸食峡谷を見下ろす
サンファン川の蛇行が見どころ

グースネックス州立公園の基本情報

メキシカンハットロックから7マイル=11km(約15分)
・入園料:車1台$5.00
・時 間:24H, 365日オープン
・パーキングエリア横にトイレとピクニックエリアあり、ビジターセンターは無し
 (水・電気の無い簡素なキャンプサイトあり)
・最寄りの町:メキシカンハット(8マイル)

【メキシカンハットロックからのアクセス】
未舗装路からUS163号線へ右折、1.5マイル先のUT261号線ジャンクションを左折。(手前にGoosenecks State Parkの標識あり)
UT261 NORTHに入って間もなく(0.8マイル)UT316号線 へ左折。
UT316を道なりに3.5マイル走れば突き当り終点がグースネックス州立公園。

UT261号線沿いに立つグースネックス州立公園の左折地点を示す案内標識
案内標識は充実していて分かりやすい

※UT316は舗装路ですが道幅が狭く結構うねっているためスピードは控えめに。

【グースネックス州立公園の現地最新情報は】
 ユタ州公式サイト(英語版)→ こちら

展望エリアから見下ろすサンファン川の3連続U字蛇行が見どころ

ここはコロラド川の支流サンファン川 San Juan River の浸食作用によってできた蛇行峡谷で、展望エリアの高さは川からおよそ300メートル。

車を停めたら左右に延びる崖っぷちから峡谷を見下ろします。
整備されたエリアから崖に沿って歩くこともできますが、ハイキングトレイルが特に整備されているわけではありません。
U字型蛇行が3つ連なる景観は駐車場のある展望エリアからの眺望がいちばん迫力があって美しい

崖っぷちに柵は限られた一部にしかないので転落しないよう足元にはご注意。
下の写真のような位置から見下ろします。

柵も何もない崖っぷちからグースネックス州立公園の景色を眺める親子連れ
絶景を望む崖っぷちはスリリング

ちなみにコロラド川がU字型に蛇行するアリゾナ州北部にあるホースシューベンド Horseshoe Bend とユタ州南部にあるデッドホース・ポイント州立公園 Dead Horse Point State Park と一見すると似ていますが、実際には周囲の岩肌の色彩や感触がそれぞれ異なっています。
下の左写真はホースシューベンド(2018年5月撮影)、右写真はデッドホース・ポイント州立公園(2017年5月撮影)

アリゾナ州のU字蛇行峡谷ホースシューベンドとユタ州のデッドホース・ポイントから見下ろすコロラド川の浸食蛇行
いずれも川の浸食作用による自然の造形

グースネックス州立公園の撮影ベストタイムと所要時間

朝夕の太陽が低い時間帯は、谷底のサンファン川に日が当たりません。
太陽の位置が高くなる夏場の日中がベスト

また展望エリアから南西方向を望むことになるので、南中高度の低くなる冬場に向けて逆光気味になってきます。

浸食された狭い峡谷の谷底をS字カーブを描きながら流れる黄土色のサンファン川を300メートル上から見下ろす
サンファン川の水面はおよそ300メートル下

光線条件よりもポイントなのは、超広角レンズがあったほうがいいこと。
下の写真は35ミリ換算で18ミリで撮影しましたが、それでも2つの蛇行っぷりをなんとか画角に収めるのがやっと。

展望エリアから俯瞰するグースネックス州立公園のサンファン川の蛇行と峡谷風景
この写真は8月12日 11:00AM に撮影(2008年)

所要時間は30分もあれば休憩を含めて景色をじっくり堪能できます
もちろん先を急がず崖沿いを歩いて峡谷を見下ろす位置を変えてみるのもいいでしょう。

③モキダグウェイ Moki Dugway

グースネックス州立公園からUT261を15分北上し、シーダーメサ Cedar Mesa といわれる断崖に切り開かれたヘアピンカーブのダートロードを上り下りするスリル満点ドライブ。

下の写真はこれからモキダグウェイに差しかかろうというところ。
10数分をかけて断崖のてっぺんまで上って行きます。

UT261号線道路を走る車窓前方に迫る高低差300メートル断崖のモキダグウェイのスイッチバック
15分後には断崖の上に到達します

モキダグウェイの基本情報

グースネックス州立公園から10マイル=16km(約15分)
 そこからスイッチバックの未舗装区間2.5マイル=4.0km, 高低差335メートルを上るとビューエリアあり

荒天時でなければ普通車でも年中通行可能
・路面は整備されており道幅も狭くはないがガードレールは全く無し
 (上り下りともスピードの出し過ぎは厳禁)
・スイッチバックの途中と最上部に眺望のよいビューエリアあり
・ピークシーズンの日中はそこそこの通行量がある
 (場所によって、もし対向車との離合に不安を感じるようならその場で一旦停まってやり過ごしたほうが安心)

モキダグウェイの未舗装区間を走る車の風景
よく整備されているが路面はスリップしやすくガードレールは無い

【グースネックス州立公園からのアクセス】
UT316を3.5マイル戻ってUT261へ左折。
シーダーメサの断崖に向かってUT261 NORTHを走ること6.5マイル:約15分でモキダグウェイの下へ到着します。

【モキダグウェイの現地最新情報は】
 San Juan County Economic Development and Visitor Services 公式サイト(英語版)→ こちら

手に汗握って高さ335メートルの崖を上り下りする

わずか3マイル足らずの区間で高低差335メートルもあるシーダーメサの断崖を一気に上り下りするスリリングなドライブ自体が魅力

途中のカーブ外側の路肩が広くなっている場所で車を降りるとモキダグウェイのスイッチバック(下の写真)がよく見下ろせます。(上る場合、未舗装路面になってからだいだい1.5マイルくらい上った左急カーブの外側)

シーダーメサの断崖に切り開かれたモキダグウェイのヘアピンダートロードと奥に広がる地平線
下側からは分からないヘアピンカーブを俯瞰できる

またモキダグウェイの最上部にある車数台が停められるビューエリア(上って行くと左側)からは、左眼下にバレー・オブ・ザ・ゴッズ Valley of The Gods、右方向にはシーダーメサ越しにモニュメントバレー方向を望む大パノラマが広がります。(下の写真)

シーダーメサという高さ300メートルの断崖上から俯瞰するユタ州の大地と地平線
頂上のビューエリアからのパノラマ

モキダグウェイの撮影ベストタイムと所要時間

午後の遅い時間になるにつれてスイッチバック区間が崖の日陰になってくるので、きれいに写真に収めるなら午前中がいい。
また日が西に傾くと最上部のビューエリアから美しい夕景パノラマ写真を撮影できます。

所要時間は通過するだけで約15分
途中のビューエリアに停まったら25~35分

モキダグウェイのヘアピンダートロードを慎重に下って行く1台の乗用車を上から見下ろす
午前中はモキダグウェイ全体によく日が当たる

④ミューリーポイント Muley Point

ここでご紹介する4ヶ所の中でもっとも景色がよく息を呑むダイナミックな絶景を堪能できるのがこのミューリーポイント。

ミューリーポイントの基本情報

★モキダグウェイ最上部のビューエリアから4マイル=6.4km(15分)
・グレンキャニオン・ナショナルレクリエーションエリア Glen Canyon NRA 南東部の一部
・入園料,許可証等は不要
・トイレなどの施設は何も無い ※排泄物は持ち帰らなければならないルールあり
UT261号線からミューリーポイントに至る未舗装ダートロードは雨天時や雨の後などは通行不能
 (路面が乾いていれば普通車でも通行可能:慎重な運転が必要)
・標高1920メートル(6299 ft)のため夏場でも朝晩は冷える

ミューリーポイントへ通じる未舗装の泥道を左カーブに接近する前方車窓風景
ミューリーポイントへは泥のダートロードを走ります

【モキダグウェイからのアクセス】
モキダグウェイ最上部のビューエリアを出て600メートルほど進んだ未舗装路と舗装路のちょうど境界地点のT字路を左折し未舗装路 Muley Point Road に入る。
(2018年5月にモキダグウェイ側から通りかかった際には、ミューリーポイントへの左折案内標識は確かなかったと記憶。反対のUT261北側には右折の案内標識あり。T字路はそこしかないので見落としてしまうことはまずありません。)
道幅は広めながら路面は泥、所々の凸凹を避けながら低速で走ること13~14分で到着。
平らで広くなっているのでわかりやすい。
※車高が低い普通車の場合はとりあえず凸凹のない平坦な場所に駐車してその先は歩いたほうが無難。

【ミューリーポイントの現地最新情報は】
 Utah Office of Tourism 公式サイト(英語版)→ こちら
 National Park Service : NPS 公式サイト(英語版)→ こちら

超大パノラマが見どころ

車を降りたら真っ先に崖っぷちへ
サンファン川の浸食作用が創りだした峡谷と遠くにモニュメントバレーを一望できるビッグスケールの眺望が広がります。

私たちがミューリーポイントを訪れたのは2009年5月。
ちょっと全体に靄がかかっていましたが、それでも驚愕の絶景には暫し言葉を失いました。

正午過ぎの1時間半ほどの滞在中出会ったのはアメリカ人のご夫婦のみ。(下の写真)
風の音しか聞こえない静寂の中で景色を独り占めできるのも大きな魅力です。

ミューリーポイントの崖っぷちに立ち峡谷と地平線の景色を眺める老夫婦
ミューリーポイントの崖っぷち(1.5時間の滞在中に唯一出会ったご夫婦)2009年5月

写真のように砂岩の表面はなめらかで意外と滑りやすく、気を付けたいのは足元。
柵などは一切無いため転落しないよう特に注意が必要です。

ミューリーポイントの断崖上でポーズをとる女性と断崖背後に広がるパノラマ風景
ミューリーポイントは手付かずの場所なだけにスリル満点

ミューリーポイントの撮影ベストタイムと所要時間

写真の撮影は終日OK

特にフォトジェニックなベストタイムは日が西へ傾いた午後遅めの時間帯
キャニオン全体に陰影が生じて日光の当たる岩肌は赤く照らされます。

私たちが訪れた時間帯は、5月1日 12:00~13:30頃にかけて(2009年)。
太陽は真上やや前方の高い位置だったので掲載写真のとおり谷の起伏にほとんど影が無くのっぺりした感じです。

ミューリーポイントの断崖上から望むサンファン川の峡谷の大パノラマ風景
ドラマチックな写真を撮るなら夕方がいい

ちなみに夕方の景色を撮影すべく2018年5月に再訪を試みましたが、低気圧の接近で突然の強雨に加えて雪が混じってきてしまい、ダートロード進入手前であえなく断念。

ミューリーポイントの滞在所要時間は、30分~といったところ
ただし数時間いても飽きてしまうことはないと思います。

《日の出・日の入り時刻を知るのに便利なウェブサイト》
日の出や日の入時間のめやすとして、私たちがいつも参考にしているウェブサイトは、全米の主要な国立公園(ナショナルパーク,ナショナルモニュメントなど自分が知りたい場所をリストから選択)ごとの時刻を月別カレンダー形式で表示してくれる「Sunrise Sunset Calendars」(英語版)→ こちら
便利なのは日出/日入時刻だけでなく、朝夕の薄明(twilight)の目安時刻や月出/月入時刻も把握可能。
※ミューリーポイントという選択地はリストに無いので近くのモニュメントバレーを選んでめやすにするといい。

《最後に》モニュメントバレーまで行ったらぜひ足を延ばしたい

モニュメントバレーにほど近く、印象に強く残る絶景を満喫できるスポット4ヶ所(いずれもユタ州南東部)を紹介しました。

4ヶ所をすべて巡る場合、
モニュメントバレー発着で往復所要時間およそ5時間、走行距離92マイル=148km
モニュメントバレーに2泊以上した際の日帰りドライブにおすすめ。

北へ向かう途中で巡ると、
モニュメントバレーから4ヶ所目のミューリーポイントまで片道50マイル=80km、所要時間およそ4時間
アーチーズ国立公園キャニオンランズ国立公園レイクパウウェルなどへ行く際の寄り道に最適。

またフォーコーナーズなど東方面へ向かう際でも、US163沿いのメキシカンハットロックとグースネックス州立公園の2ヶ所だけなら決して遠回りにはならずおすすめです。

気を付けたいのは

・ガソリン残量が半分を下回っていたら、先ずメキシカンハットの町で給油
・未舗装路(特にメキシカンハットロックとミューリーポイントへのアプローチ)は悪天候時や路面が湿っている時は進入をあきらめる
・晴天時でも路面状態を見極めながら慎重運転を(レンタカーの多くは未舗装路は保険対象外)
・4ヶ所いずれも安全柵やガードレールなどが無いので転落事故に注意
・飲料水と食べ物は事前に入手(最寄りの町はメキシカンハット)

コメント

  1. Hiro より:

    初めまして。とても詳しくて参考になる記事です!今月上旬にテキサス州ダラスからフロリダ州オーランドまで,2週間で往復約4,000kmのロードトリップに行ってきました。今週末からは,いよいよグランドサークルの旅が始まります!モニュメントバレーに向かう前日,Goosenecks State Parkでキャンプをする予定でしたが,やはり汗を流せないのは嫌だからホテルを取ろうかなと調べていたところ,このサイトに辿り着きました。他の人があまり書いていない情報ありがたいです。特にうちは普通のミニバンなので,未舗装路を走れるかは気になるポイントでした。私は40代に入ったばかりですが,あなたのような旅を続けたいと思っています。

    • Komans より:

      Hiro様
      はじめまして。コメントありがとうございます。壮大なロードトリップをされていらっしゃるようで素晴らしいですね。ブログを拝読しましたが、ご家族でアメリカ在住なのでしょうか。大変楽しく読ませていただきました。私たちはこのコロナ渦で残念ながら2019年5月以降、アメリカの地平線はお預け状態です。再び自由に旅ができる日を心待ちにしている毎日です。Hiro様は今頃どのあたりを疾走していらっしゃるのでしょうか。灼熱のシーズンですが是非エキサイティングな旅、そしてアメリカンライフを楽しんでください。