目的地まで ● ● マイル・・・えっ、それって何キロ?
メートル法の単位に慣れた私たち日本人が、アメリカへ行って戸惑うことの一つが「単位」ではないでしょうか。
アメリカが採用しているのは、「ヤード・ポンド法」。
これがなかなかややこしい。
まあ結論から言ってしまえば、あまり難しく考えず「郷に入っては郷に従え」の精神で、まるごと受け入れてしまうのが、アメリカロードトリップを満喫するコツです。
「距離」と「速度」の単位はどちらも マイル miles これ重要です!
アメリカでロードトリップをスタートして、まず向き合わなければならないのが、距離と速度の単位「マイル」です。
冒頭で、あまり難しく考えず・・・なんて言ってしまいましたが、じつは距離や速度を示す「マイル miles」を理解しておくことはとても重要なんです。
★Q:1.0マイルは何キロメートルか?→ 答えは 1.6キロメートル
正確には、1.0マイル=1.60934キロメートルです。
つまり10マイルは、およそ16キロメートルに相当、
50マイルは、およそ80キロメートル、
100miles は、約160km、
200miles は、約320km ということになります。
逆のパターンで、
10キロメートルは、およそ6.25マイルに相当、
50キロメートル は、およそ31マイル、
100km は、約62miles、
200km は、約125miles 。
ということで、距離が長くなればなるほど、マイルとキロメートルの換算数字の差が大きくなるわけです。
メートル法に慣れた私たち日本人は、「キロメートルの距離感」というのがなんとなくありますよね。
「何処どこまで15kmだよ。」
「そうか、近いね。」とか、
「〇〇までは、140kmくらい。」
「高速道路に乗っちゃえば速いなぁ。」のような感じで。
ところがアメリカでは、体に染みついたこの「キロメートルの距離感」がマイルに慣れるまでなかなか通用しないんです。
ロードマップを見ながらルート計画を立てたり、行程の途中で目的地までのマイルを確認した時など、「思った以上に距離がある・・・いやぁ遠いな~。」と感じることがあります。
そう感じるのは、もちろんアメリカの国土の広大さが最大の理由のひとつであるのは事実です。
なにしろ西海岸のカリフォルニア州の面積は、日本の国土の総面積より広いんですから。
でも意外な理由としては、地図上や案内標識、ナビに示されている「マイルの数値」に無意識のうちに惑わされてしまうケースがあるんです。
先述の通り、例えば100マイルはキロメートルに直すと 160km ですから。
慣れればいい、と言ってしまえばそれまでです。
実際に何度もアメリカロードトリップを繰り返し、何千マイル、何万マイルとアメリカをドライブすれば、自然と「マイルの距離感」を体で覚えてしまいますよ。
ちなみに、マイル vs キロメートル換算早見表を、車のダッシュボード・ケースかドアポケットに入れておくと便利です。
私はカードケースに入れた早見表を持っていくようにしています。
また距離と同様、速度の単位としてのマイルもとても重要。
下の写真を見てください。
これはある車(レンタカー)の速度計 speedometer ですが(右側は回転計 tachometer)、普通に時速を表す数字が0・20・40~120まで並んでいます。
この速度数値、じつはキロメートル km / h ではなく、マイル Miles / h(MPH)なんです。
もしこれに気付かず『時速40km / h のつもり』でアクセルを踏み、速度メーターが『40』 の状態で街中を走行したら・・・
ほどなくして、POLICEのご厄介になるかもしれません。
制限速度 25MPH=約40km / h の市街地を、40MPH=約65km / h で走ったら、それは危ないですよね。
まあスピード違反(speeding と言います)で捕まるだけで済むならマシですが、もし事故を起こしたら、取り返しのつかない事態になってしまいます。
ちょっとこの車のスピードメーターの設計は不親切かもしれません。
ほとんどの車はアメリカ車、外国車を問わず、次の写真のように時速マイル MPH の内側に km / h が併記されています。
ちなみにアメリカ人の運転マナーは概して良く、制限速度はほぼ守っています。
(まあ大都市圏など都会に行くとクレイジーなドライバーがいます)
「時速 ● ● マイル」に最初は戸惑うかもしれませんが、心に残るロードトリップは安全があってこそ。スピードの出し過ぎには注意しましょう。
距離を表す フィート feet も重要です
アメリカのロードトリップで、もう一つ知っておくと便利な距離・長さ単位が「フィート feet」です。
日本でも時々フィートは使われる場合がありますが、やはり今ひとつピンとこない単位ではないでしょうか。
★Q:1フィート(1 foot)は何メートルか?→ 答えは 0.3048メートル=30.48cm
この「フィート feet」を理解しておくと便利なのは、標高 elevation です。
ダイナミックなアメリカの大自然を体感するには、西部のロードトリップがおすすめですが、アメリカ西部は比較的アップダウンが激しいのが特徴です。
山間部を運転する際には、峠(Summit または Pass と表記されます)の標高 Elevation を把握しておいたほうがよいでしょう。
とくにロッキー山脈周辺など、ハイウェイ・ルートによっては、標高 Elevation が 11,000 feet=約3,353m を超える!という日本ではあり得ないケースも決して珍しくありません。
気象条件によってはたとえ夏場でも雪に見舞われたり、路面凍結や高地特有の天候急変など思わぬ事態に遭遇するかもしれません。
また思いのほか車の燃費が悪くなったり、酸素濃度が薄いため我々人間も体調が狂ったりなんてこともあります。(私の場合は鼻血が出やすくなってしまいます。)
ロードマップや現地のガイドブック、ウェブサイトなどに記されている峠道の標高はたいていフィートですが、こうした事態をあらかじめ予測するのに侮れない情報です。
これも、フィート vs メートル換算早見表を用意しておくと便利でしょう。
温度の単位がまたややこしい ・・・ 華氏(℉)Fahrenheit
これは前述の距離・速度単位に比べれば、さほど重要ではありませんが、知っておくと何かと便利な温度単位です。
★Q:華氏50度(50℉)は摂氏何度(℃)?→ 答えは10℃
ざっくりの換算式は、
華氏から摂氏へ ℃=(℉ー32)÷ 1.8
摂氏から華氏へ ℉=℃ × 1.8 +32
参考までに、華氏 32℉が、摂氏 0℃ / 華氏 212℉が、摂氏 100℃ です。
たとえば宿泊したモーテルで翌日の天気予報をテレビでチェックしても、予想気温の数値はすべて華氏 ℉、残念ながら摂氏℃ の数値は登場しません。
西部をロードトリップすると昼夜の気温差には驚かされます。
標高が高めのグランドサークルなど、明け方には氷点下(35~40℉)近くにまで気温が下がるのに、日中は 86~90℉(30℃超)なんてことも。
できれば「℉」になじんでおいたほうがいいかも・・・。
ということで、私たちはアメリカロードトリップの際に、温度(華氏 vs 摂氏)換算早見表も携行しています。
最後に
世界の中では、メートル法を採用していないアメリカが珍しいそうです。
でもそこは「郷に入っては郷に従え」です。
旅の安全にかかわることだけは確実に!あとは単位のまどろっこしさも含めてアメリカロードトリップを楽しんでしまいましょう。
どうぞエキサイティングな旅を・・・。
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